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あれから6年、まだ6年

気が付けば、あれから6年。いや、まだ6年。。

4月30日で父親が亡くなって丸6年になります。凶報が届いたのは海外出張先、それも、

● イラクの首都、バグダッド

朝5時、寝ぼけ眼でホテルで取った受話器から流れる上司の声。

「お父さんが亡くなりました」
「・・・・は?」

そこから先は本当に夢の中の出来事のようで、今でもぼんやりとしか思い出せません。母から、父が春スキーの途中で崖から落ちたこと、打ち所悪く、また、すぐ救助する事ができず病院に運ばれた時はもう殆ど手遅れだったことを聞きました。

バグダッドからヨルダンの首都アンマンまでの帰路。約1,000キロの陸路をランクルで走ること10時間。長期出張中に何度も往復した景色を涙がにじむ目で睨み付けた、どこまでも広がる土漠。

その時のプロジェクトのパートナーであり親友のラミーの手に握られていた航空券。繁忙期の中、東京の本社が押さえてくれたアンマンから、オランダ(アムス)経由、地元の札幌までの最速の乗り継ぎチケット。

ラミーが涙と鼻水で自慢のひげをグショグショにしながら「ヒロ・・」と声をかけてくる。・・そういえば、彼も前年に父親を病気で亡くしたばかりだった・・と頭は何故か醒めており、心は空虚。

あれから6年、もう6年。

53歳だった父。
病気にならないように、あんなにカラダを鍛えていたのにね。

土日になるのが待ち遠しくて、海に山に、毎週末飛び出していった父。お酒が大好きで、美味しいものが大好きで、時にはうっとうしくなるぐらい家が好きで、家族が好きで・・。

最後の父との交信は、バグダッド入りする前のヨルダンにて。
亡くなる3日前に受け取ったメール。

「人生にはいい時も悪い時も同じようにあるのだから」

「仕事は順調だよ」と素っ気なく報告した息子へのメールへの返信に一言。何か自分の未来を感じていたのだろうか。

一家の大黒柱が突然に抜けた穴は本当に大きく。でも、僕ら3人、母も弟もそれぞれ何とかやってます。おっしゃるとおり、何でも思った通りにはいかないけども。後悔しない人生を送りたくて、もがく日々です。

あれから6年、まだ6年。