夏休みの読書のお供に、ハゲタカシリーズの5作目と6作目をKindleに入れて連れていきました。
5作目のシンドロームは東日本大震災と原発事故が襲った日本を舞台にした作品。6作目のチップスは現在進行形の台湾有事が迫り来る世界を舞台にしており、テーマは半導体。それも半導体と地政学の関連を掘り起こしており興味深い内容でした。
これまでも歴史的経済事件を小説の舞台として取り上げてきており、これを機会にスピンアウト作品を含めて再読してみようと思い立ちました。(第一作と第二作については、おそらく再再読)
現在、第二作まで来たところですが、若かりし頃の鷲津の荒々しさが、最新作では還暦に至って大分と角も取れてくるところなどに登場人物達がそれぞれ歳を重ねてきた軌跡を感じます。長く続く作品の魅力ですね。
また読み手である私も20代の社会人駆け出しの頃に出会って初読した頃と、社会人を30年弱続けて50代前半で再読するのでは感じ方も大いに異なっているのだろうと想像します。(正確に当時の自分を記憶してませんので、感触、ですが)
若い頃は鷲津の破天荒さや力強いところに惹かれましたが、今読み返すと当時から相手に舐められるような姿を敢えてとったりする戦略性や自己プロデュースに注目し、歳を重ねる中で円熟さをました人心掌握力や次世代に道を譲る姿勢に痺れました。
あとは、最新作のチップス、なかなか書きづらい現在進行形の東アジアの緊張関係を描いているのですが、まさか自分がその渦中に巻き込まれているとは・・とも思っています。小説と現実がリンクするというか。
ところで、鷲津さんの異名はあくまでゴールデンイーグル、イヌワシであって、世間が勝手にコンドルの方のハゲタカと呼んでいるだけなんですよね。相変わらず出る杭には手厳しいジャパン。本当に鷲津さんにバイアウトされちゃいますよ。。。
自らが歳を重ねながら広がる読書の世界。一生かかっても読み尽くせないほど本がある世界に生きるのは、嬉しいですね。