「僕ら観劇部」カテゴリーアーカイブ

はじめての落語デビュー

はじめての落語デビューがまさかの@ヒューストン。

でも人生とは偶然なようでいて必然なことも沢山あるわけで、本日に至ったこともやっぱり何か縁あってのことなのだと思います。

僕の初落語のお相手は立川志の春さん。立川志の輔師匠の3番弟子で、立川流の二つ目。もうすぐ真打ち昇進との呼び声も高い若手の一人なのだとか。若手といっても1歳違いの41歳ですから同年代ですね。

つい3ヶ月ほど前まで落語には全く興味がなかった僕が、日本人会から回ってきた落語公演の案内にピクリと反応したきっかけはコチラ。


尾瀬あきらさんによる日本酒漫画の三部作「蔵人」を読み終え、他には尾瀬さんはどんな漫画を書いているのだろう・・と偶然手に取ったのが落語の世界を描いた「どうらく息子」(全18冊)。貪るように全巻を読んだのがわずかに2ヶ月前。

「夏子の酒」を読んで日本酒を飲みたくならない人がいないように、「どうらく息子」を楽しく読んだうえで、落語を聴いてみたいと思わない人がいたら会ってみたい。

僕も早速Youtubeで「やかん」を探して観ました。その時に偶然最初に観たのが亡くなった立川談志師匠。(本当は名人級ではなく、前座や二つ目の若手が演じるものが観たかったのですが直ぐに見つけられず)

そんな流れで回ってきた、立川志の春さんという二つ目の若手落語家の高座の話。さらに志の春さんの経歴を読むと・・・イェール大学卒で三井物産に入社、25歳の時に落語と運命の出会いをして落語家になった同年代ですと、何者!?(→詳しい経歴のお話がこちらの記事に

さらに1歳下の弟さんは英国オックスフォード大学で数学を学んだ後に音楽の世界へ転身し劇団四季に入団、ミュージカル俳優とか、、兄弟でどれだけぶっとんでいるのか、、と。(ご両親とも普通に勤め人の固いご家庭で育ち、お父様もNYに海外赴任していた生保マンだったそうですので、さぞぶったまげたことかと)

そんなわるけど、どうなることかと少々緊張しながら迎えた初落語ですが、「絶校長」から「茶の湯」、仲入りをへて「井戸の茶碗」まであっという間の2時間でした。

「どうらく息子」全巻読破のおかげで色々と下知識がついているので、志の春さんがマクラから上手に本題につないでいく技術に驚嘆し、饅頭やらウドンをすすってみせる姿に感動、商社から落語の世界に飛び込み15年間で身につけられた「芸」に酔いしれました。

・・酔いしれたというか、この日は朝から二日酔いでもありましたが・・

42歳男子、遅まきながら落語に興味を持ちました。いずれ日本に帰ってからでしょうが、落語を観に行くことも新たな趣味の一つになりそうな予感・・。立川志の春さんを応援します。(カテゴリー的にはとりあえず観劇部と同じところに置いておきます)

キャッツ〜ミュージカル観劇メモ

先日のブロードウェイ観劇部活動の第三弾、最終幕はキャッツを初観劇。

かれこれ10年ほど前に劇団四季のキャッツを観に行ったことがあるのですが、その時はさほど感銘を受けなかったんです(申し訳有りません。。)。観劇の経験値が少なかったのと、単純に同時期に観た劇団四季のライオンキングやウィキッドと比べて、話が無い!?と感じたからかと。

日本からの出張者をご案内。その方も学生時代にブロードウェイで観て以来だから30年ぶりだなぁ・・何も覚えてないよ、と。ロンドンの初演が1981年、ブロードウェイが1982年、、本当に古典ミュージカル作品ですね。はたして、この数年の観劇部活動がどう働くのか・・

入り口でフィイスペインティングをやってます。うわぁ、上手い!!(きっと本当の美術の方でしょうか)そう、自分もフェイスペインティング見習いです(→新米フェイスペインター

筆運びや、どんな画材を使っているのだろうか、、としばらく見入ってしまいました。(はよう前に進めと促される)

キャッツは、猫達が都会のゴミ捨て場で歌と踊りを繰り広げる、、という群集劇的なものなので、あまりそこに筋や意味を求めてもいけないのだろうと思い、ただ目を見開き目の前の世界を楽しむことに集中してみました。

幕間ではステージ上を解放しており、初めてのブロードウェイのステージデビュー!? 思ったよりも狭いし、少し斜めになってます。よくこんなところで踊れるな・・・

(演じている方々の視点)

気がつけばあっという間。メモリーのメロディーに涙を誘われるのはお約束として、やはりブロードウェイという世界最高峰の舞台だからなのか、単に自分の目が少しばかり肥えたからなのか(10年前より肉体は確実に肥えてます)、10年前の劇団四季の観劇の記憶とは全く違うレベルで楽しめました!

何が楽しかったのでしょう(自問)。

まずは踊り、というかバレエのレベルが高い!そして歌うまい!鍛え抜かれた肉体が舞う姿を目で追いまくり。主に白い猫(Victoria)のお尻と、赤い猫(Bombalurian )の胸を視線の拠点にしたのは言うまでもありません。

そしてその愛くるしい表情と、強い目線、しなやかな動きに虜になったのがSillabubを演じたJessica Cohenさん。もうたまらん・・。本日のベスト猫。

WHO’S WHOによると、これがブロードウェイデビュー。他の殆どのメンバーと同じバレエ出身の人なんですね。(このCATSの前にAn American in Parisの全米ツアーに出ていたというから、ひょっとするとうちの奥様達がヒューストンで観ていたかも。)

いつまであるかわかりませんが、→彼女をインタビューした30分のラジオ番組があったので視聴しちゃいました

(猫じゃなくても美人)

声も可愛く聞こえる、歯切れの良い語り口が更に魅力的。是非、今後の彼女の活躍も応援したいですね。とりあえず、もっと前の席を取ってCATSをまた観に来るか・・・

ミス・サイゴン〜ミュージカル観劇メモ

先日のブロードウェイでの観劇部活動メモの続き。ウェイトレスに続く第二弾はミス・サイゴン。

初演は1989年のロンドン・ウエストエンド。ブロードウェイでは1991年に開演して10年のロングヒット。その後も世界各地で上演されてきました。そして、ブロードウェイでは、ロンドンに続き2017年春から1年ほどの再演。

1970年代ベトナム戦争末期のベトナム・サイゴンを舞台に、バーで働きはじめた初日にアメリカ兵クリスと出会い恋に落ちたベトナム人少女キムの悲恋を描く、、というおなじみのストーリー。

高畑充希さんが何かのインタビューで、いずれキム役をやってみたいと語っているのを読んで、それでは、、と足を運んだのですが・・・

正直、気持ちがキム側に入りすぎてしまい、クリス、お前何やってんだよ!・・・と腹が立つことこのうえなし。(誰の立場?笑) 数歩ゆずってあの時連れて帰れなかったのはやむをえないとして、なぜ帰国して1年もせずにエレンと結婚しているのかと。

またサイゴンやバンコクの女性達の切り取り方がいかにも西洋からアジアを上空から見下ろした感じで、アジアンとしてはやりきれず。(劇場の男性陣は大いに盛り上がっているものの・・・)

というわけで自分の中ではレミゼとは比べるべくもなく(同じコンビでの製作ですが)、観劇部の一員としては一度観ればOKかな〜と。

ただしエンジニア演じているジョン・ブライオンズははまり役で一見の価値があるかと(ロンドンの再演に続いての登板)あのギラギラした感じ、かなりの迫力です。

願わくはアジア出身の俳優達にもここ以外にもどんどんブロードウェイ出演の機会が出来ますように。

ウェイトレス〜ミュージカル観劇メモ

NYで迎えた先週末は観劇部活動強化週末。第一弾として向かったのはウェイトレス。

ブロードウェイでの公演は2016年4月よりスタートしたばかりなのでまだまだ新作の一つ。

主人公はアメリカ南部の田舎町のダイナーで働くパイ作りが大好きなジェナ。退屈な結婚生活を送る彼女がまさかの妊娠。このままでは人生が詰んでしまう!ともがく序盤のストーリー展開。女性の自立がテーマ・・というのは最近っぽいですね。

それにしても彼女の夫が本当にダメな束縛DVヒモ男。旦那大嫌いパイとか作ってる暇があればさっさと別れるべきなんですが。あまりにひどすぎて胸がシクシク。(自分は大丈夫だろうか?)

・・とまぁ、しっかりつかみのストーリーにひきこまれたところで、ジェナ役のBetsy Wolfeに注目。評判のよかったオリジナルキャストのJessie Muellerのあとを継いで前月の6月からの登板。どうどうとした美人さんで歌うまし。

そしてもってかれたのがOgie役のJeremy Morseの怪演。久しぶりに動きだけで思いっきり笑わせて頂きました。

全体に大きなサプライズはないものの笑って涙して最後は大団円!な娯楽作品の王道ぶりで、安心して楽しめる良作。オススメです。(ちょっと娘には観せられませんが・・)

会場には女性グループが多数いて楽しまれていた気がします。ただ書き下ろしの楽曲は全体に悪くはなかったけど耳に残るキャッチーなものもなかった気が。

(あ、パイ柄・・)

2007年公開のインディ映画が元になっているということなので、早速Amazon Primeで探して観てみました。ほぼ筋は一緒で、各配役のイメージも一緒。歌と踊りがないけど、これはこれで良くできており良作品。低予算ながらヒットしたのもうなずけます。

今年の後半から全米ツアーが回るようなのでヒューストンにも来るようだったら、妻にも検証のため観てきてもらわないと。(きっと好みの内容だと思うので)

しかし、いくら美味しくてもパイには胃袋は掴まれない気がします。。。(アップルパイとか嫌いではないものの・・)

ライオンキング〜ミュージカル観劇メモ

先週末はヒューストンにて久しぶりのミュージカル鑑賞。おひとりさま観劇部活動もほそぼそと継続です。

(何かの全米ツアーがいつもかかってます)

ブロードウェイではその人気のためか安売り当日券の店には回ってこないライオンキング。常設劇場のチケットオフィスで売れ残りを少数売り出すことがあるのではないかと思いますが、過去何度かトライしたものの全敗。今回は予めちゃんと予約し定価で観てまいりました。

気のせいか、いつも以上に黒人の富裕層の方が多い気がします。本当に単なる気のせいかもしれませんが。

定価で買った・・と胸をはったのは、B列5席。ステージから2列目という好位置にも関わらず、前の端すぎて、柱による視界制限があるということでディスカウント扱い。全く気になら無いどころか、ラフィキの息遣いが聞こえてきそうな距離感に大興奮。

本日のシンバ役はツアーメインのDashaun Youngではなく、控えのAaron Nelson。アンサンブルを勤めながら、こうして代役の機会があればシンバ役も演れるというのは凄いですね。アンサンブルの中でも普通に役を変われる実力があるメンバーがいるということ。

PLAYBILLのWHO’S WHOを眺めていると、Understudyという形でシンバのみならず、ナラやラフィキなど、何人ものアンサンブルメンバーが役付きのバックアップに回れるよう配置されているのが分かります。長期間で移動も伴う全米ツアーだからこその代役管理なのでしょう。

Aaron Nelson、顔も爽やかでしたが凄い胸筋。見渡すとライオンキングという演目だけに黒人率がめちゃめちゃ高く、皆さん良いカラダ、そして良い笑顔。そしてムファサ役のGerald Ramsey、サモア出身ハワイ育ちだそうですが、ホントいい声でした。(→こんな記事もありました

毎回、まずは無心で楽しみ、帰宅後にパフォーマンスを思い出しながらWHO’S WHOで皆様の略歴などを順番に読みふけり、さらにはGoogle検索でそれぞれの演者の画像や動画、関連記事などを眺めて楽しみ、ブログに最後はメモ。(但しPLAYBILLは保存せずにポイ)

完全に観劇行動もオタク化しつつありますが、これも部活動と思えば・・やむなし!? 単身期間最後の週末となるこの週末はNYで迎えるので、おひとりさま観劇部活動@ブロードウェイとなる予定。楽しみです。