「三体」シリーズが凄い〜中国SFの傑作

「三体Ⅱ」の下巻を読み終わり、暫しその壮大な世界観に嘆息した週末。凄かった・・・。

「三体」とは、中国人SF作家の劉慈欣先生の手によるSF長編。(詳しくは→Wikiもどうぞ)第一作が2008年に発売されるや中国のみならず世界中で大人気となった三部作の一作目。全世界でシリーズが2,900万部売れているという規格外のヒット作。

その割に・・というか、日本語版は2019年発売と世界でも遅く、SF作品としてはやはり相当売れているようですが、周囲から面白かった・・という話は聞いたことがなかったため(周囲にSF小説を読む人がいないからですが)、書店員ポップに惹かれて購入したものの一年近く積読本の山に埋れさせるという大失策を。

ただ、一作目読了後に、二作目を続けて読むことが出来たということでは多いに幸せでした。(そして第三作の日本語版が5月下旬に発売予定なので、ある意味一気読みが出来る感じ)

ストーリーはネタバレ的になるのであっさりとまとめると、強力な科学力を誇る宇宙人(三体星人)が大艦隊で地球に攻めてくる・・彼らの到着までに残された時間は数百年しかない、それまでに人類は彼らを迎え撃つだけの進歩を遂げられるのか・・でも、我々の基礎物理学のもう一段の飛躍は彼らが放った斥候(改良された量子・・智子)により完全にストップさせられており、全人類のやり取りも完全に監視されている・・三体星人に完全に秘密に出来るのは人間の脳内だけ、迎え撃つには人類の知恵しかない・・・というようなあらすじだけですと少年漫画のノリ。なんなら宇宙戦艦ヤマト的とも。

ところが、これが本当に細部まで緻密にストーリーが組み立てられているのです。小説内に出てくる三体というVRゲームのぶっ飛んだ世界観も凄いですし、文化大革命からはじまる中国の近現代史の苛烈な描写、三体星人の異質さ、そして有名なフェルミのパラドックスへの挑戦・・と魅力が盛り沢山。何より面壁者(ウォールフェイサー)の設定アイディアに痺れました。

魅力的な登場人物が少ないのでは、、智子ってなんやねん・・など突っ込みどころも幾つかあるでしょうが、無い物ねだりはしないことに。銀河英雄伝説のヤン・ウェンリーの言葉が突然引用されたのには驚きましたが、所々に日本SF勢からの影響もあるように感じました。

中国エンタメ界に超絶ポテンシャルがあることを感じさせてくれる傑作です。(劉先生、発電所のエンジニアだったそうな・・)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です