外務省のラスプチーンとかつて呼ばれた元外交官の佐藤優氏。初めて著作を手に取ったのは2012年と遅いのですが(→ラスプーチンに学べ)、以来、定期的に著作を追いかけています。
国家の罠がべらぼうに面白くて、自壊する帝国、獄中記を読んでその読書量や記憶力、思考力の深さに驚き、そこからは一気に発刊された各種新書などをパラパラみていたのですが(スピードが早すぎて追いつけず)、この異能の外交官、知の巨人の根幹に迫ると言われる自伝小説にたどり着きました。
先生と私。
1960年に誕生してから高校受験までの15年間を彼はどのように生きたのか。
・・・こんな中学生が、時代は少し違えど埼玉県に存在していたのか。。自分も中学2年から高校3年の5年間を、埼玉の市立中学、県立高校と同じように歩んでいるので多少の親近感と、それ以上に彼我の愕然とするほどの距離感を感じながら読了。
あったなぁ、北辰テスト。業者が実施するテストなんですが、なぜか埼玉県では高校入試の物差しとして運用されておりました。他の県では存在していないらしいので不思議。。
自分は彼のように埼玉県下一番の公立の進学高と言われる浦和高校を目指すこともありませんでしたし(学区外だったし遠かったし・・)、連日の塾通いで毎日3時間睡眠で勉強したことなどももちろんありませんが・・(大学受験の時ですら)、自分の中学時代を思い返しながら、なんとなく懐かしい気持ちにも。
続編となる、佐藤少年の人生の方向性を決めた高校一年生の東欧・ソ連への夏休み旅行の顛末というか超詳細をつづった「十五の夏」も上下巻を読ませて頂きました。どうやったらこんなに詳細に記述できるのか・・(思い出したのか?)。
他の著作でも感じますが異常な記憶力を持たれているのは間違いありません。(人生で交わしたこれまでの会話をICレコーダーで記録・再生出来るようなレベル)
44年の人生、詳細に思い返して自伝的小説を書くとかは完全に無理そうですが、少なくとも30歳以降の行動(や食べたもの)についてはこのブログ中に結構記録されているので、良しとしたいと思います。