蜜蜂と遠雷

2017年直木賞と本屋大賞をダブル受賞したというニュースを聞いていたので、図書館で見かけ思わず即借りしてしまいました。

蜜蜂と遠雷・・・って、音楽の話ということは書評か何かで読んだ気がしますが、具体的には予備知識ゼロで対面。

金曜の夜19時にページを開き、夜23時にページを閉じるまで、完全に一気読み。出だし数ページを読んだだけで魂をもってかれ、そのまま物語の世界に引きずり込まれる嬉しい離脱体験。

あらすじや感想はあちこちにあるのでさほど繰り返しませんが、簡単にまとめると、国際ピアノコンクールを舞台に、20歳前後の3者3様な天才ピアニスト達と、中年と呼ぶには失礼な20代後半の天才未満の若者にスポットを当て、彼らの人間模様や葛藤、出会いと成長、そして活躍を描く作品。

文章でこれだけ音楽を豊かに描くって試みも凄いです。のだめカンタービレで、漫画で音楽を描く様が凄いと思いましたが、この作品はさらに遥か上をいっている気がしました。名前は聞いたことあれど具体的に旋律が頭に浮かばない数々のピアノ曲の情景を読み手の脳内に生き生きと想像させるのですから。

彼らが一次予選、二次予選とそれぞれ選んで弾いた曲は実際どんな曲なのかが気になってしまい、Youtubeで順番に聴いてます。

「構想5年、執筆7年、著者渾身、文句無しの最高傑作!」と帯にあったそうですが、素晴らしい結果が出て良かったですね。

著者の恩田陸さんは過去に2005年の本屋大賞をとった夜のピクニックを手にとって、爽やかだなー・・と思ったものの他の作品にまでは手が伸びておりませんでした。他にも沢山作品があるので読んでみたい様な、これがやはり最高傑作だったのか?という感想になるのか・・

しかし、蜜蜂はわかるけど、遠雷って・・一体どういう意味じゃい、、と思いながら、亡きホフマン先生の存在にまで思いを馳せてしまいました。そして思ったこと、やはり娘達にはピアノを本気の習い事としては強いる必要はないな・・・と。(頑張るのは天才の少年少女達にまかせようと思います)

未読の方に全力でお勧めします。