「一流ビジネスマン研究」カテゴリーアーカイブ

ブラックストーン〜知られざるプライベートエクイティの世界

厚めの積ん読本読了第一弾。

かれこれ3年前にヒューストンの我が家まで夫婦で慰問に来てくれたS君が「もう機内で読んだんで、、」と置いていってくれた本書にようやく手が伸びました。・・・こんな面白い本が近くにあったのに気がつかなかったとは・・無念!

ブラックストーン・グループという、上場前はとにかく謎に包まれた世界トップクラスのプライベートエクイティファンドの創業の成り立ちと、創業者2人をはじめとする主要なメンバー達の人間模様や業界の変遷を丁寧に取材し知られざる金融の世界を描いたノンフィクション作品。

黒木亮さんの金融系小説や、ハゲタカシリーズで有名な真山仁さんの一連の小説も本書を読んでから再読するとまた違った読後感をもちそうです。本場の弱肉強食な資本主義社会が垣間見えました。強烈な金銭欲や出世欲、支配欲が渦巻く世界です。

とかくレバレッジドバイアウト(LBO)というと、何やらそこらの乗っ取り屋と混同され社会的イメージが悪かった気がしますし、そういえばプリティ・ウーマンのリチャードギアもあればLBOを仕掛けようとしていたなぁ、、と思い出したり。(1990年ですと、LBOの黎明期、まだまだこれからですね)

あらためて彼らが取り組んできた仕事の本質に注目すると、中長期の資金を確保して、企業本来の力を引き出す為の経営判断を行う環境を整え、キャッシュフローを伸ばし負債を返済すること、これ事態は何ら悪いことではなく、とても当たり前のこと。(悪いイメージが先行しすぎ)

やはり一部のプライベートエクイティの幹部達が凄い成功報酬を得ており、それが世間の不興(嫉妬)を大いに買ったということが大きいのかもしれません。(そして多くの優秀な人材がこの世界に殺到もした訳で)

そうしたプライベートエクイティを含めた金融の世界を、まるで対岸どころか、どこか遠く離れた別世界の出来事のように捉え、これまで自分も意識を全然向けていなかった訳ですが、こと企業再生や事業戦略を考える部分となると、今更ながら大いに興味がわいてきます。(いまや登場してくる沢山の米国企業もなじみのある会社が増えてますし)

遅まきながら、米国に暮らすうちに、こうした典型的な米国企業や経営者を取材した作品をこれから幾つか読んで理解を深めてみたいと思います。やはりニューヨークとか歩けるうちの方が、色々と実感や共感もわくと思うので。

しかし、ブラックストーンという社名は創業者2人の名前の一部を英語読みしたのを合わせたもの、という決め方は以外と安易だなと、、。

ジャパン・ハードシップ

披露宴翌日の月曜日、東京の職場にも顔を出し終日あちこちで打ち合わせしたり、ご無沙汰してます・・的な挨拶回り。

どれだけ頻繁にメール、電話、TV会議などで繋がっていたとしても時には必要な、顔を付き合わせてのコミュニケーション。そして直接の関係がないからこそ大事な斜めの関係性のアップデート。

(昼は本日の刺身定食1,200円)

(夜は築地の魚介を居酒屋で頂いて8,000円)

それにしても東京は相変わらず皆さん忙しそうで、週明けから皆の顔も疲れていて、それでいて結構早い時間から飲みにも出ていたり、色々と米国の仕事環境からすると異世界に見えました。会議も沢山ありそうで嫌だなぁ。

日本には日本なりのハードシップがあるということを再認識。しかし、食環境は素晴らしい。

ヨーヨーと金魚とスーパーボール

先週末、ヒューストン中心部のハーマンパークでジャパンフェスティバルが開催されました。日本及び日本文化の紹介、日米親善の促進が目的で、例年2万人以上の市民の方が訪れる大イベントです。

(市民の憩いの場所、ハーマンパーク)

土曜の朝から午後14時までの短時間ではありますが、商工会が出す子供向けの縁日のお手伝いに行って参りました。

輪投げとガラポンを別にして、メインとなるすくい系の持ち場は三つ。金魚とスーパーボールとヨーヨー。

ヨーヨー釣りが自分の持ち場として与えられ、他社の皆さんと和気藹々と何の疑問もなく開場準備をしていたのですが、しばらくすると大きく労働環境が違うことに気がつきました。

(金魚すくい)

(スーパーボールすくい)

(ヨーヨーすくい・・ではなく釣り)

・・気がつかれましたでしょうか。

そう、ヨーヨーだけが半製品で入荷しており、完成品にしなくては店頭?に並べられません。さらには釣り具である「こより」も作成しなくてはいけません。これは大変だ!(どうりで配置された人数が多めだと思いました)

さながらバックヤードは完全に戦場となり、土曜日1日分の1,000個のヨーヨーとこよりを製造する工場に。自分は売り場(釣りの会場)と裏の工場エリアを行き来する調整弁となりながらシフトを過ごすことになりました。(後半はヨーヨーを作り続け、おかげで指は未だに痛いですが、素早くヨーヨーを作成できるスキルが身につきました。使いどころは当分ありません・・)

接客の現場でも、最初は2つ折りで作っていたこよりが弱すぎてうまく釣れない子供が多く、仕様を4つ折りに変更したり、色々とその場での判断・対応も多く、いつもと違う脳の部分が刺激され良い気分転換となりました。(さらに英語での接客も含まれましたし)

そういえば10数年前に長期出張先のベトナム・ハノイで同じように商工会で縁日をやったことを思い出しました。あの時は日本からのグッズや駄菓子の調達からやったので大変だったけど懐かしいなぁと思い出したり。

縁日って若手OJTの場としても機能する気がします。事前の準備・段取りから当日の運営、撤収まで勉強になることばかり。若手から中堅の同僚達が忙しくたち働く姿を見ながら、そんなことを考えてました。

そして、自分は現場で「俺は何をすればよいのだ・・」とつぶやく役に立たないおっさんにならぬように、との思いも深めました。(自分の役割と課題は自ら見つけて、改善を繰り返す)

島耕作クロニクル

ふとしたことで、これまで未読だった課長以前の島耕作、イブニングで連載されていた、ヤング島耕作、主任島耕作、係長島耕作の12冊をKindle大人まとめ買いからの〜一気読み。

それにしても見事、はるか昔の1982年から連載開始した本編である課長島耕作34歳につなげるよう島耕作のサラリーマン人生前半をまとめ上げたものです。これで、まさに入社の瞬間から会長として退職を迎えるその瞬間までのクロニクルが完成。

ヤング時代に、初対面の銀座のママが店の家宝として大事にしていた経営のカリスマ吉原会長のボトルを貰い、これを退職の日に飲もう・・と若者の島耕作に言わせるフラグも立てたりと、もう自由自在。

気になって課長編も少し読み直してみましたが、さすがに初対面じゃないはずの吉原会長や宇佐美常務(当時)に、君が島君か・・と言わせてしまったり(既に入社間もない頃から主任〜係長の時代にも会っとるやないか)、遡って修正できない矛盾点は幾つかあるものの、概ね違和感なし。まるで予め見越して書き出したかのような世界の統一感。

さすがに島耕作が会長を引退したらこの大河ドラマもこれで終わりだろう・・と思っていたら、なんとまさかの学生島耕作も連載中(既刊5冊) これはきっと来ますね、老後島耕作。

連載の開始がバブル前、まさにJapan as No.1な絶頂を経て、バブル崩壊、失われたうん10年の中で迎えたリーマンショック、日系家電メーカーが再編・淘汰される現在の世界を誰が予想したでしょうか。

一部、いや大部分がファンタジー色に溢れながらもこの35年ぐらいの社会の雰囲気を感じさせる素晴らしい作品だと改めて感じ入りました。全ての働く方々、就職活動を迎える学生の皆さんにオススメです。(学生編を除いても既刊85冊ぐらいになるので相当なボリュームですが)

自分もいつか本社で課長になって島耕作と同じスタートラインに立ってみたいものだと思います、それが10年遅れでも。。

時間の使い方記録を開始

2017年に掲げたチャレンジは「生産性を高める」こと。(→生産性)とっかかりとして3つ挙げさせてもらいました。

■ 月次目標の採用

■ 働く時間を増やさない(むしろ今より減らす)

■ 時間の見える化

この中の3番目、時間の見える化に、Kコーチの助力を仰いで着手致しました。早速、時間管理の研修で使用しているフォーマットを頂き基本の使い方に従って1週間計測活動を行ってみました。

原則30分単位で、仕事、睡眠、家族、趣味、娯楽、生活、通勤、運動、学習、交際、その他、の11項目に実績を割り振るというもの。(2種類にまたがるものは重複可、1日の時間が24時間以上になってもOK)

仕事については更に細分化し内訳を分類。自分の時間の使い方を見える化することで効率を上げるヒントを探るというもの。これは面白い!

自分の場合、投入している時間が多いのが上に列挙した順。仕事と睡眠が各25%、そこから残る50%が週末の家族との時間、読書などの趣味時間、深夜のゲーム時間の娯楽、、というふうにカウントされました。運動とか学習が少なすぎて恥ずかしい。。

仕組みがわかったので、次は通しで2週間の計測を開始する前に自分流にルール設定を以下カスタマイズ。

まずは仕事、睡眠、それ以外、3種類の時間の割合をKPIとして計測したいと思います。そのために項目のダブルカウントは不可として、2種類の項目がある場合(通勤時の読書=通勤&趣味、通勤&学習)は各々の時間をハーフカウントすることに。総時間がぶれていては比較できないので。(1日はやはり24時間)

次に日々のオフィスへの通勤は生活としてカウント、これで項目数は11から10に。自分の場合は出張が多いのでこの移動時間をどう捉えるかで大きく仕事とそれ以外の時間が変動するのですが、仕事&それ以外のハーフカウントでやってみようと思います。

想定するパターンとしては、仕事&仕事、仕事&趣味、仕事&学習、仕事&娯楽、仕事&睡眠の5つ。(空港や機内、車中でどんな行動を選択するかで変化)

このルールで2週間もう一度記録を行い足元の傾向を見定めたうえで必要な目標設定を考えてみたいと思います。やはり運動と学習の量を継続的に一定量確保することが目標になるでしょうか。家族時間のミニマムライン設定も重要そうです。

なお、しばらく頭の中で寝かせて考えたのち、以下の活動の時間割り振り(意味付け)を定義しました。

■ ブログ=趣味&娯楽

■ 読書=趣味&学習、趣味&娯楽の中から読んだ内容に応じ

■ 映画、ゲーム=娯楽

■ ダンス、ゴルフ=趣味&運動

■ 日経新聞と日経ビジネス=仕事&学習

■ 仕事に必要で勉強すること(語学とか財務会計とか)=学習

■ ジョギング、筋トレ=運動

出張移動中の読書や映画鑑賞の分類が少し変則になりますが、とりあえずやってみます。

(妻がダラーツリーで叩き売られているのを発見し不憫になって購入した我が同胞たち)

最初の1週間の計測結果をKコーチに送ったところ「仕事と睡眠の時間は決して多すぎるとも思えず・・(略)・・思っていた以上に娯楽の時間が多いのに驚きました。決して悪いという意味ではなく。」というコメントを頂き笑ってしまいました。

そう、睡眠やそれ以外の時間を削るほどは仕事してませんし、趣味や娯楽の時間を確実に確保する為には睡眠も取りすぎないようにしています。そんなことが数字を通してモロバレ。