黒か白か

久しぶりにガツンと読み応えのある新書でした。第1章のさわりだけでも紹介しましょう。

著者は(注:大学教授です)以前より、自分がミニスカ好きだと気づいていました。あるとき取材で訪れた新宿2丁目で、生物学的に男性のミニスカ姿に反応してしまうのです。

自分はミニスカをはいた女の人が好きだと思っていたのに・・これはどういう訳なのか。次の事例では、あるとき、電車でミニスカの女性がどうしても気になってしまう。

しかし、彼女がはいているのは超ミニかと思うとキュロットパンツであった。その事実がわかった瞬間に欲情が一気に冷めてしまうのは、いったいどういう訳なのか。

そして著者は一つの結論にたどり着きます。

自分がこだわっているのは、ミニスカからパンツが見えるかもしれない、その一点だけであることに。(この場合のパンツは白いパンツ限定だそうです)

著者の思考はさらに深いところに進み、色々な事例を比較考察しては検証していきます。

そのあげくに、自分が欲情しているものは「いくら頑張っても見えないなにか」であり、その中に人々は崇高な「神」を感じ、ミニスカの中のパンツは聖なる「白」で覆われてなければ、と。

絶句 号泣

そして、こんな調子で、「ポルノ」「制服」「ロリコン」「不感症」とテーマがうつるのですが。。「ロリコンとは、ユニセックスの体から大人の体へとカーブを切る瞬間の少女に対して、できれば自分もそちらの方向に進みたかった・・・」とか、、マヂ、この人、やばいかも。

衝撃の読後から一歩引いて、紡がれる言葉と思考の道筋をたどってみると、これは実に繊細。人がなかなか正面からは触れない、触れたくない性の話。ここまで徹底的に思考できるからこそ、教授にまでなれるのだなぁと素直に感心。(ご専門は、生命学、哲学、科学論の模様)

しかし、ダンサーはどうしても視覚的に不感症になりがちだけど、、練習着の中身が見せ黒パンから白いパンツに変わると、やはり興奮するのかなぁ?

求ム、協力者。関連してるような、してないような周辺濫読。

やばい、早く死ぬかも・・・

著者の牛窪恵さんは、注目のマーケティングライター。

今の女性に支持されるのは、彼女達の肌感覚で商品消費を捉えることのできる企業や商品。なるほど、女性についての勉強になります。

30歳で・・・な男は魔法使いらしい。

秋葉原などで生息されるオタク層を読者に想定した、とってもリアル恋愛指南。手放しで笑ってられませんね、ふとしたきっかけで自分がその立場だったかもしれませんから。

46/200冊